2002年8月8日

 

            2002年人事院勧告にあたって

 

                               全国大学高専教職員組合

                               中央執行委員長  糟谷 憲一

 

1. 本日、人事院は国会と内閣に対して、国家公務員の賃金等に関する「勧告」と公

務員制度改革に関する「報告」を行った。その内容の概略は以下の通りである。

(1) 官民の逆格差是正のため1ヶ月当りの賃金を平均7,770円、2.03%引き下げる

(その内訳は、俸給6,427円、扶養手当618円、はね返り分412円、特例一時金廃止分

313円)。

(2) 一時金を0.05月分引き下げるとともに、3月期の一時金を廃止し6月分と12月

分に再配分する。その中で勤勉手当の支給割合を増やす。

(3) 公務員賃金を地域毎の民間準拠とするための民間調査方法と俸給制度、地域

関連手当の抜本的見直しの早急な検討を行う。

(4) 公務員制度改革動向を見据えつつ公務員給与制度の抜本的再検討を行う。

 

2.今回の人事院勧告・報告は以下のような重大な問題点をもっている。

第1は、この内容が人事院勧告史上初めての本俸切り下げ勧告ということである。しか

も、不利益不遡及を言明しながら12月の一時金で調整するとして事実上不利益遡及を

行うとしている点である。このことに関する記述部分は明らかな論理矛盾であり、人

事院は不利益不遡及という法の基本精神にきちんと立脚すべきである。

第2は、一時金の4年連続切り下げによりその支給水準が1960年の水準に後退してしま

ったこと、および国家公務員の実質賃金も4年連続切り下げられる結果となり、公務員

労働者の生活不安にいっそうの拍車がかかる事態を引き起こしていることである。

第3は、3月の一時金(期末手当)を廃止して6月と12月に再配分するのはまだしも、その

際期末手当分を削減して勤勉手当分に振替えることにより、賃金の「能力別格差支給」

をよりいっそう推進する土壌を拡大していることである。

第4は、配偶者の扶養手当削減(2,000円)や、勧告表面には現れていないが俸給部分切

り下げによる退職金へのはね返り分など、対象となる教職員への減額幅は見かけ上の

減額勧告額よりも相当大幅になっていることである。

第5は、俸給の調整額(大学院担当教員・病院職員等)の経過措置の廃止検討に言及して

いる点であり、これが実施されるなら、多くの対象者を抱える大学等への影響はいっ

そう大きくなることである。

第6は、公務員賃金を地域毎の民間賃金に準拠させる方式の早急な具体化に言及してい

ることである。これは同じ国家公務員であり同質の業務を遂行していても、所属する

地域の違いにより賃金に格差が生まれることを意味しており、同一労働同一賃金の原

則や国家公務員制度の根幹をなし崩しにする危険性を有しているものと言わざるを得

ないものである。

第7は、公務員賃金制度の見直しに関する人事院の基本姿勢が、政府の公務員制度改

革大綱の枠内にとどめようとしている点である。人事院は行政組織法上の機関ではあ

るが、国家公務員の労働基本権制約の代償措置機関として政府から独立した権限をも

っている。公務員のあり方が厳しく問われている今の情勢下でこそ、その基本的役割

をきちんと果たす姿勢を堅持すべきである。

 

3.全大教は、人事院勧告にあたって、4年連続のマイナス勧告および俸給表本体の切

り下げを許さず、教職員と公務員労働者の実質生活の維持・改善等を掲げて、ジャン

ボハガキ行動、人事院交渉に取り組むとともに、ナショナルセンターの枠を越えて公

務員組合主催の集会等に参加・共同してきた。今回の勧告は、私たちの要求はもとよ

り生活を維持・改善に全く逆行するものであり、極めて遺憾である。

私たちは、秋に予想される臨時国会に向け、あらゆる公務員組合と共同し、本俸およ

び一時金の切り下げ反対の旗を高く掲げ実質生活の維持・改善のため全力をあげる決

意である。

また、あわせて公務員制度改革、公務員賃金制度見直し、退職手当見直しなどの諸問

題での運動も精力的に取り組みをすすめるものである。

 

 

 

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